(えー、最初に断っておきますが、自分はセルゲイ・パラジャーノフを語れる程のヒトではありません。挿絵はパラジャーノフですが、書いてあるのはマドンナのPVについてです。)
先日セルゲイ・パラジャーノフの『ざくろの色』を初めて観たのだが、「なんかものすごく見覚えのあるシーン」が出てきてびっくりしたのであった。
葡萄を足で踏みつけるのとか、

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子供に布をかけるシーンとか、

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杖を持った二本の手とか。

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うーん……、どっからどう見てもパクリですね、これは。パクリじゃなくてインスパイア。上がパラジャーノフの『ざくろの色』で、下はマドンナの『ベッドタイム・ストーリー』のPV。
『ベッドタイム・ストーリー』は数あるマドンナのPVの中でも出色の出来だと思う。制作費500万ドル。当時最も金のかかった大作PVであり、後にニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久保存作品にも選定された程だ。
で、ちょいと調べてみたら、実はこのPVはパラジャーノフ以外にもあれこれパクリインスパイアされまくり。マドンナ本人も雑誌のインタビューで『ベッドタイム・ストーリー』のPVはレオノーラ・キャリントンやレメディオス・バロといったシュルレアリスムの女流画家からインスパイアされ、これらのシーンはすべて彼女たちへのオマージュだと語っている。
という訳で元ネタの絵画を集めてみた。

レオノーラ・キャリントン 『女の巨人』
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レメディオス・バロ 『恋人たち』
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レメディオス・バロ 『再生』
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レオノール・フィニ 『世界の涯』
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レオノール・フィニ 『友情』
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あとよくある指摘が、太ったハゲのおじさんがルシアン・フロイドの『Naked Man, Back View』ではないか? というもの。まぁでも、ルシアン・フロイドは男女問わず太った裸体をたくさん描いているので、たまたまカーペットの色と布の色が似ちゃっただけなような気もするけど。

ルシアン・フロイド 『Naked Man, Back View』
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すぐれた作品というものは他のアーティストへの影響力も当然大きい訳で、いろんなところで引用されたりインスパイアされたりオマージュされたりパクられたりするのである。そもそもヒトってのはゼロからなにかを生み出せたりするものなんだろうか? 「これは完全に自分のオリジナルだ」と胸を張って言えるものでも、よくよく考えてみると幼い頃に見たり聴いたりした作品を無意識のうちに参考にしていたりする。全体像として何かと酷似している訳ではなくても、細部まで見ていくと色んなものの真似っこの集合体だったりする。「ヒトの創造という行為」なんざ所詮はコピペの域を超えられない。コピペの組み合わせによってまったく斬新に感じられたり、コピペ時の情報の変質がかえっていい結果を生んでしまったり。ヒトが創ったものからインスピレーションを得たのではなく、大自然からインスピレーションを得たのだというヒトが居たとしても、神の創造した物をパクっただけなんで似たようなもんだ。
――で、その後、映画監督のターセムはマドンナの『ベッドタイム・ストーリー』にインスパイアされるのであった。

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『ザ・セル』

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『落下の王国』